ましろのおと(1)を読んでみて

※思いっきり『ましろのおと』のネタバレあります。ましろのおと(1) (講談社コミックス月刊マガジン)

ひとつ前のエントリーで、『なずなのねいろ』について語りましたが、これまた同じ三味線マンガの『ましろのおと』について書きます。
実は、このマンガは、『なずなのねいろ(3)』より前に、手に入れて、積読にしていたマンガです。


まず、1話目からバンドのライブで演奏することになる、主人公ましろ
うん、もうね、そのときから、人をとりこにするような演奏ができているワケです。
ひとつ前の、なずなの感想でも述べましたが、主人公が上級者のパターンです。
まあ、おれの考えるセオリーからは外れますが、でも、それで面白ければ、全然問題ないのですが…。
しかし、思うのは、なずなもバンドの人が三味線に興味を持つっていう出だしで、ましろもバンドからスタートって、似てるっちゃにてるんですな。


1巻を読んで、総じて言えるのは、主人公が格好良すぎることです。
なんか、もう、格好いいのね。
少年マンガのセオリーでいうと、初心者の主人公が興味をもって、最初は全然ダメなんだけど、「その道」に少しずつ経験することで、自分の力になっていく、という王道をとおるワケですが、このマンガの主人公ましろは、最初っから持ってます。
ええ、持っている主人公、なのです。
イケメンで、青森から東京にあてもなく出てきた16歳の主人公は、出てきたその日に、キャバクラに勤める女性芸能人に拾われ、部屋に住ませてもらい、その女性の彼であるバントのジャムセッションをライブで行い、女性は田舎にかえるなか、三ヶ月間も部屋の家賃を前払いしてくれて、そこに主人公が使って良いといってくれて、別れ際にはファーストキスをしてくれて、ましろの母親はお金持ちで毎月100万の仕送りをしてくれて、先の女性の部屋から追い出されることになる月に、母親が主人公を拉致して、部屋を与えてくれて、学校へも入学できて、ライブの時に偶然カメラで撮影されてて、それがテレビで放映されて、そのテレビをみた人が転入した学校の女生徒が見ていて…。
って、どんだけの「持っている」主人公なんでしょうか。
主人公は、三味線のことだけ考えてれば、あとはまわりが勝手に展開してくれて、動いてくれて、話がすすむ、っていう流れですよね、これ。
すごいわー。
おれは、このましろのどこにも共感できない。
でもね、このマンガは格好いいから、読ませるんだわ。
それが、すごい。
全然、どこにも共感できないのに、読ませるっていうのは、ホントにすごい。


でもね、三味線の魅力は、あまり伝わらなかったです。
1話目では、一番の見せ場は、ライブ会場での突然三味線を演奏するシーンなんですけど、ましろのおとが、おれの耳には響かなかったです。
なずなのねいろの1話目のときには、ちゃんと、なずなの音が聞こえた(気がした)んですけどねぇ…。


あ、一番かっこよかったシーンは、お母さんが歌うシーン。
ましろではなくて、お母さんの歌うシーンが格好良かったなー。
まだ、1巻なので、まだまだこれから、なんだろうけど、次巻は様子見です。